ホーム 病気の話 人工括約筋(AMS-800)を希望される方へ

人工括約筋(AMS-800)を希望される方へ

人工尿道括約筋の植え込み術は、前立腺全摘除術後などの尿道括約筋に原因がある場合に適応となります。人工尿道括約筋は現在世界的にAMS-800という機種が用いられており、日本においても厚生労働省の認可を得ています。以前は人工尿道括約筋の植え込み術では健康保険を使用することができませんでしたが、平成24年4月からは日本においても健康保険の適応となりました。北海道大学病院では健康保険の適応となる以前より、先進医療の指定を受けて人工尿道括約筋の植え込み術を行ってきましたが、今後は尿道括約筋に原因がある尿失禁で困っている多くの患者さんの治療が可能です。ご希望の方がいましたら、下記にご連絡ください。

なお、人工尿道括約筋の詳細については以下のサイトでも参照できます。

http://www.incontinence.jp/

お問い合わせ電話番号:011-716-1161(内線)5772,5773お問い合わせ 住所: 〒060-8648 札幌市北区北14条西5丁目 北海道大学病院 泌尿器科外来
担当医師: 橘田岳也、菅野由岐子

人工括約筋埋込み術について

人工尿道括約筋は尿道の周りにシリコン製のチューブを巻き付けその中に液体を充填することで尿道を圧迫することで尿失禁を治療します。この手術では全身麻酔が必要です。

人工尿道括約筋は3つのパーツに分かれています。①尿道を圧迫する部分、②液体を貯留しておく部分、③陰嚢内に設置して尿道括約筋を動かすスイッチとなる部分です。会陰部と鼡径部(一般的には右側)に切開を加えてこの人工尿道括約筋を尿道のサイズに合わせて埋込みを行います。

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手術を行った後には人工尿道括約筋をゆるめたまま動かさないで尿道になじませる必要がるため、2ヶ月程度人工尿道括約筋を機能させません。そのため、埋め込み術直後は尿失禁が術前と同様に継続します。これを行わずに早期から動かした場合には尿道の萎縮や炎症による括約筋の尿道内への脱出が起こりやすいといわれており、最悪の場合には摘出や再手術が行われる場合もあるためです

術後2ヶ月程度たった段階で人工尿道括約筋を機能させますが、その際には使用方法をあらためて指導します。必要に応じて短期入院をしていただくこともあります。

効果の可能性

これまで人工尿道括約筋の手術成績の報告は約90%前後の成功率とされています。高い有効率ではああるものの100%の有効率ではなく、一部には効果が見られない方もいます。その点をご理解ください。当科での最近の成績を以下に示します。

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合併症の可能性と対応法

術後は、創部の痛みや違和感が続くことがありますが、時間の経過とともにその症状は軽減します。その他、以下のような合併症が生じることがあります。

創部の感染

尿道に異物である人工尿道括約筋を埋め込むため創部の感染には万全の注意を払って手術を行いますが人工物であることから完全に感染を予防することはできません。創部の感染が起こった場合には可能な限り抗生剤などで保存的に経過を見ますが、人工尿道括約筋を摘出せざるを得ないこともあります。

尿道のびらん

尿道に炎症がおこり、びらんが発生することがあります。一時的に人工尿道括約筋の使用を制限することもありますが、改善しない場合には摘出が必要となることがあります。

機械の故障によるトラブル

人工尿道括約筋はその誕生から改良を重ね、故障がかなり少なくなっていますが、人工物であることからある一定の割合で故障することがあります。この場合、再手術が必要となることがあります。

長期に使用後の尿失禁の再発

長期に人工尿道括約筋を使用している間に尿道自体の萎縮が起こり、十分尿道を圧迫できなくなり尿失禁が再発する可能性があります。この場合、ご希望があれば再度を行います。