水腎症

水腎症

先天性水腎症とは、腎臓や尿管が先天的に拡張した病態を指します。その原因は様々であり、腎臓の出口で尿の流れが不良である腎盂尿管移行部通過障害が最も頻度が高く、ついで膀胱から尿管へ尿が逆流する膀胱尿管逆流、尿管と膀胱のつなぎ目で尿の流れが不良である尿管膀胱移行部通過障害と続きます。

病態

最も多い腎盂尿管移行部通過障害は先天的に腎盂と尿管の間で尿の流れが不良であるためにおこります。通過障害は一部の患者さんでは血管や癒着などにより外から尿の通り道が圧迫されることが原因となりますが、多くの場合には原因は不明です。出生前の超音波検査で発見される場合もあり症状がなく経過する場合もありますが、腹痛や尿路感染などの症状を呈することで発見される場合もあります。

頻度・疫学

先天的な腎盂尿管移行部通過障害は1000-2000人に一人と報告されています。性別では男児に多く女児の2-4倍とされています。反対に成人になってから発見される水腎症は女性が男性の2倍程度言われています。腎盂尿管移行部通過障害は左側に多く認められますが、両側に起こる場合も全体の10-40%といわれています。

疾患としての重要度

症状がなく見つかる水腎症は自然によくなる場合も少なくないため、特に治療を行わず経過観察を行います。水腎症側の腎臓の働きが低下する場合や尿路感染、腹痛などの症状を呈するときには手術による治療を行います。

診断

  • 問診により、いつから水腎症が指摘されているのか・水腎症による症状の有無などを確認します。
  • 水腎症の程度は超音波検査で行います。水腎症の程度はSFU分類がよく使われており、程度の軽い1度から程度の強い4度の間で評価を行います。
  • 1-2度の比較的程度の軽い場合には、定期的な超音波検査による経過観察を行います。
  • 3-4度の比較的経過の強い場合には核医学検査にて腎臓の働きの評価が必要になります。自然軽快も期待されるため、腎の働きに異常のない場合には超音波検査と核医学検査により経過を見てゆくことになります。
  • 腎の働きが低下している場合には、手術を考慮することになります。当施設では無症状の場合には1回の検査で手術を行うことはまれで複数回の検査から判断することが多いですが、腹部腫瘤や腹痛、尿路感染などの症状がある場合には1回の検査で手術を行うこともあります。

治療

  • 手術は通りの悪い部分を切除し、腎盂と尿管を吻合する腎盂形成術が一般的です。
  • 腎盂形成術は体の横を切って行う開腹手術と小さな穴をあけて行う腹腔鏡手術があります。患者さんの体格などを考慮して手術の方法を決定します。
  • 手術成績は90%以上と報告されています。

予後

  • 手術後は水腎症の経過を超音波検査などでみてゆきます。
  • 手術後数年たってから水腎症が再発する場合が数%あるといわれています。