排尿機能障害/骨盤臓器脱

過活動膀胱

更新日:2023/2/28

過活動膀胱とは

どんな病気?

急に強い尿意を自覚し、尿の回数が多くなったり、尿意が強くてトイレに間に合わず失禁してしまう病気です。寒さや水の音などの外界からの刺激をきっかけに尿意を感じることもあります。一般的には高齢者や女性の方が多いとされていますが、男性でも起こりえます。

<診断・検査>

  1. 超音波(エコー)検査
    膀胱の形に異常がないか確認できます。
  2. 尿流量測定
    尿の勢いや一回の尿量、排尿にかかる時間を測定します。
  3. 残尿測定
    排尿後の残尿の量を測定します。
  4. 内圧尿流検査
    膀胱の筋肉の異常な動きや、縮む力を評価できます。

これらの検査を元に治療法を検討します。

<治療>

~保存的治療~

行動療法:水分の摂取量を見直したり、カフェインやアルコールを取りすぎないようにするなど。
薬物療法:膀胱をリラックスさせておしっこを溜めやすくするような働きをもつ飲み薬で治療を行います。

※行動療法や薬物療法では効果が不十分、あるいは副作用により内服治療が継続困難な場合を難治性過活動膀胱と言い、近年は手術療法を行うこともあります。

~手術療法~

経尿道的ボツリヌス毒素膀胱壁内注入療法: 美容整形でシワ取りなどに使われるボツリヌス毒素ですが、膀胱の壁に注入することで、膀胱の壁がリラックスして過活動膀胱の症状が改善します。
手術といっても当院では外来で行っており、基本的に入院の必要はありません。液体の麻酔薬を膀胱に注入してから、治療を行います。効果の持続は個人によって差がありますが半年ほどと言われており、症状の悪化があれば再度の注入療法を行います。
※北大病院では2020年の保険適用当初から行っており、道内有数の症例数となっています。

体内埋め込み型仙骨神経刺激療法: 尾てい骨の近くにある膀胱に向かう神経の周囲に電極を挿入して、仙骨神経を電気刺激することにより、過活動膀胱の症状が改善します。
手術は2回に分けて行います。最初の手術で電極のみを挿入し、効果を確かめたら電気刺激を送る機械本体を体内に挿入します。手術には入院が必要です。
機械のバッテリーには寿命があるため5−8年でバッテリーの交換が必要になります。

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