排尿機能障害/骨盤臓器脱

間質性膀胱炎 / 骨盤痛症候群

更新日:2023/2/28

間質性膀胱炎 / 骨盤痛症候群とは

どんな病気?

間質性膀胱炎は、膀胱の痛み、頻尿、強い尿意、排尿困難など、膀胱や排尿に関する極めて不快な症状をもたらす病気であり、日常生活に支障をきたします。感染を契機とした自己免疫反応、膀胱粘膜の障害による疼痛過敏、リウマチを代表とする膠原病の一種など仮説はありますが、いまだ原因は不明で治療に苦労する方も多いです。
内視鏡検査において点状の出血や、「ハンナ病変」という特徴的なびらんを認めることがあります。ハンナ病変を認める間質性膀胱炎は難病に指定されています。間質性膀胱炎と同様な症状があっても内視鏡の所見がないものは、膀胱痛症候群として区別されます。

また、膀胱痛や他の骨盤部の痛みを伴う症状として、骨盤痛症候群があります。このような症状の方は、膀胱の治療だけでは解決しないことがあります。泌尿器疾患に限らず、神経疾患、整形外科的疾患、婦人科系疾患が関連しており、他診療科と連携して診断・治療を行います。

<診断・検査>

  1. 問診(症状を伺います)
  2. 尿検査
  3. 排尿日誌
    1回の尿量、排尿回数、飲水量、痛みの有無、尿失禁の有無を記録していただきます。
  4. 膀胱鏡検査
    水圧で膀胱を拡張していくと、膀胱に出血やハンナ病変が確認される場合があります。これらの所見を認めた場合に間質性膀胱炎と診断されます。
    外来あるいは入院の上で麻酔をかけて、検査を行います。
  5. 膀胱生検
    膀胱癌との鑑別のために行います。
ハンナ病変の例

<治療>

  1. 膀胱水圧拡張術
    麻酔をかけて一定の圧力をかけながら、膀胱に生理食塩水をためていきます。
    ハンナ病変がある場合、ハンナ病変の切除や焼灼が症状緩和に有効とされています。
  2. 内服治療
    抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬、抗うつ薬、鎮痛薬、抗菌薬などを症状にあわせて処方しています。
  3. 膀胱内薬液注入療法
    DMSO(ジメチルスルホキシド)の膀胱内注入療法があります。ハンナ型間質性膀胱炎に有効とされています。
    2021年4月より、保険診療が可能となりました。

間質性膀胱炎は一部国の指定難病となっている難治性の病気です。通常の膀胱炎治療を行っても膀胱の痛みや頻尿が良くならない場合、この病気の可能性があります。
最寄りの泌尿器科に相談し、当院への紹介受診を検討してください。

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